バドミントンによる障害の特異性と一予防法(2-1)

生 年 月 日 昭和24年10月28日生
開業年月日 昭和56年1月
開 業 場 所 岩見沢市6条東11丁目
卒業年月日 昭和55年3月卒
出 身 校 北海道柔道整復専門学校
 
西川 利和
(岩見沢ブロック)

<<はじめに>>

私自身10数年続けているスポーツにバドミントン競技があります。このスポーツは運動量が激しく、さまざまな部位に外傷や障害が発生し易い競技でもあります。
そこで3ヶ所の社会人同好会58名によるバドミントン愛好者の協力を得て、バドミントン競技によって受けた障害部位を聞き取り調査した結果、興味深い結果が得られたので報告するとともに、一障害の予防法を述べさせていただきます。
年齢別をみると、60歳以上が5名、50歳代15名、40歳代24名、30歳代12名、20歳代2名でありました。男、女比は4対6。活動は週の平均が2回で、1回の活動時間は2時間程度であった。
聞き取りの結果、58名のほぼ全員がどこか身体の障害を経験したり、現在も多少の痛みを抱えながら競技を行っている愛好者の多いことがわかった。部位別を見ると、肘の受傷経験者が男女差関係なく78%で殆どの人が上腕骨外側上顆炎、所謂テニス肘であり、ごく少数が内顆炎であった。次に膝が73%、肩26%、腰23%、足首4%、ふくらはぎ2%、その他として(アキレス腱、股関節、背部など)が25%でした。
結果、ご覧の通り特に注目したのはバドミントンというスポーツに於いては肘と膝が他の部位に対して群を抜いて障害を受けていることがわかった。2つの部位の受傷原因を分析すると、肘部に於いてはバドミントンラケットの重さは90g前後とごく軽量ですが、この競技は手首を掌屈、背屈、回内、回外の繰り返しの競技で、そのため前腕回外筋や手関節伸筋群が過労し、それらの筋の伸筋腱起始部である上腕骨外側上顆部にストレスがかかるのが原因かと思われます。次に膝ですが、プレー中激しい動作の中でも羽根を打つ時と拾う時は「一瞬止まって打つ」ため、足部が床に固定され体幹や膝が急に回旋することにより膝関節への捻りが加わるのが原因と思われる。
この結果を見るとバドミントンを愛好する殆どのプレーヤーが、一度はテニス肘と膝痛を高い確率で受傷するスポーツ障害といえる。膝痛は練習量が多くなり、技術が向上するに従って発症率が高くなる傾向があるが、肘痛の場合はどちらかというと初めてバドミントンをプレーする人や、経験者でもブランクのある競技者が数回の練習量で痛みを発生することも多い。そこで膝障害の予防はなかなか困難ではあるが、「テニス肘の予防は工夫により可能である」という考えで実践してもらった。

<<対象者>>

バドミントン初心者、若しくは経験者であっても長期間競技から離れていた者。予防法を実践してもらうにあたってテニス肘を発症する確率と発症した場合に日常生活に於いて次のような支障が出ることを理解してもらう。

  • 物を持ち上げたり、つかむ動作

バドミントンによる障害の特異性と一予防法
年代別人数05101520253020歳代30歳代40歳代50歳代60歳以上バトミントンによる部位別障害発生分布0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%その他ふくらはぎ足首腰肩膝肘1人複数箇所あり

  • タオルや雑巾を絞る動作
  • 包丁やハサミを使用する動作
  • ドアノブを回したり、ホウキを使用する動作
  • パソコンでの入力作業する動作

などに疼痛があることを、また慢性化すると上腕骨の筋・腱付着部の血流は乏しいために完治するには半年かそれ以上かかることもある。

<<予防対策法>>

① 筋・腱の柔軟性を高めるため前腕伸筋群の入念なストレッチ、マッサージなどを日常的に行う。
ストレッチの方法~利き手の肘を完全伸展した状態で、一方の手により手関節を他動的に掌屈させ20~30秒保持する。
② 競技前の十分なウォーミングアップ。競技中は肘へのエルボーバンド又はテーピングなどの着用、手首にも巻きつけると更に良い。
着用部位~この疾患に最も関わりが強い短橈側手根伸筋を圧迫するように、外側上顆より約3横指末梢にエルボーバンドで締める。
③ 競技後のアイシング。私が勧めている方法は、タオルを水に濡らし絞ってから折りたたみフリーザーへ入れておきます。タオルは肘関節から前腕を全周に巻くことができ、冷やし過ぎることもなく効果的です。
④ 肘が常温に戻ったら入浴し、入浴中または入浴後に、ストレッチ・マッサージなどのセルフケアを行う。
⑤競技初期は、練習量過多にならないよう心掛ける。

4)結果
上記方法を継続的に実践していただいた対象者は、テニス肘特有の症状や日常生活に於いて支障をきたす事なく楽しく競技を続けています。もちろん疼痛が発生した場合は局所の安静を保ち、炎症を抑える事を第一に考える。上腕骨外側上顆炎の原因の1つとして腱付着部の筋・腱の柔軟性の低さが最大の原因となっている例が多く、ストレッチ・マッサージなどを習慣化することによって、十分予防効果があると思っています。
5)考察
私たちは、外傷やスポーツ障害の治療に関わるだけでなく様々な怪我予防に対しても積極的にアドバイスをする事により信頼関係ができ、その結果怪我など負傷した場合には私たち整骨院への来院にも繋がると私は考えております。

 

最後になりましたが私自身も過去に右肩腱板損傷・右肘上顆炎、右膝捻挫を経験しました。

このモアレ像の意味するのは何なのか、足部アライメントはどのような状態か?足部アライメントが体に及ぼす影響は何なのか無作為に痛み、辛さを持つ人、持たない人をモニターにお願いし900人余りのデーターを取りニュートラルポジションの有効性を調べてみました。

<<方 法>>

期間 平成20年11月16日~平成22年4月30日
対象 整骨院に来院し、もしくは出向いて モニターになってくれた方900名(男性333名女性567名)
年齢 5歳から90歳

FootBed作成法

  1. フットセンター(高さのある椅子)に裸足になり膝屈曲がスムーズにできる位置に座る。
  2. 股関節から膝をできるだけ真直ぐな位置にして、リラックスして座ってもらいます。
  3. 足部を挙上した際に大腿部が外旋しないようストッパーをかませます。
  4. 下腿下部にバキュームホースを取り付けます。
  5. キャスト材を拇趾球から踵を超え5・ほどの長さに2~3枚両足分用意します。
  6. ギプス用包帯を半分に裂き同様の長さで2足分用意する。
  7. キャスト材を70度以上のお湯で温めタオルなどで即座にお湯切りします。
  8. 用意していたギプス用包帯で包み、足の裏にシワがよらないようにアンダーラップで装着します、特に踵部分は気をつけて。
  9. FootBagをかぶせ講習で学んだニュートラルポジションにてキャスト材が固まるまで吸引します。
  10. 固まったら余分な部分は切り取りフェルトを付けて包帯で足関節に制限を与えないように固定して終了です。

※特に装着するための包帯固定は重要ポイントになります。

<<結 果>>

症例結果

  • 足関節捻挫は、急・陳旧性に関わらず装着後歩行痛が軽快になり、早期腫脹の軽減、改善がみられ足部アライメントをニュートラルポジションにする事により自然治癒力が促されるのを感じた。
  • シンスプリント、オスグット病、足底筋膜炎、有痛性外?骨、踵部の痛みに対しては、装着後歩行痛がない、疼痛の軽減がみられた。
  • 変形性膝関節症には、歩行運動痛の軽減、疼痛の軽減を患者さんからの声を頂いた。
  • 膝関節の水腫は、装着後歩行が楽になり、水腫の量に関わらず、膝関節に対し施術を行わなくても、日を追うごとに水腫の減少、減退が見られた。(12人中12人)
  • 慢性腰痛に対しては、装着後疼痛の緩和がみられ、日常生活動作が快適との言葉を頂いた。急性腰痛には、装着直後 鈍重感を訴える方がおられたが、時間の経過と伴に消失し、疼痛、運動痛の改善がみられた。
  • 顎関節症で半年以上 開口制限のあった方が、装着翌日に開口が可能になった。咀嚼時に激痛を訴え食事をすることが苦痛であったが翌日軽快に食事を摂る事が出来た。
  • とても興味深い症例は、104名もの方の頭痛が、理論的には解りませんが装着後 楽になった。また毎日頭痛のあった方も頭痛がおこさなくなった。時にあっても軽いものだとの言葉を多数頂き、私も患者さんも衝撃的な事でした。
  • その他多数の症例結果がでました。

※900名中882名 良好な結果、または改善
18名変化なし(装着の違和感なし15名、違和感あり3名)
※足部アライメント状態
回内足 897名 回外足 3名
◎材料費など無料にすることにより数多くの症例、有効性をみる事が出来た。

<<まとめ>>

  • 足部アライメントのほとんどが回内足であった。
  • 足部ニュートラルポジションが様々な症状に有効であることがわかった。
  • 人間に与えられた二足歩行生活、現代社会に至るまでの環境の変化、土台である足元を揺るがす履物の変化が足部アライメント変え、様々な症状に影響を与えている。
  • 痛みの辛さを抱えていた方々が、それから開放された喜びの顔や声が、私の感動、力になり、900名のモニター、症例へと繋がりました。向後一層研鑽し多くの笑顔を見たいと思う。

参考文献(株)インパクトトレーディング Tech1~Tech4資料