生 年 月 日
開業年月日
開 業 場 所
卒業年月日
出 身 校 

昭和34年12月1日
平成6年8月
小樽市新光2丁目1番28号
平成3年3月
北海道柔道整復専門学校

【本人談】 


長谷川治郎
(小樽ブロック)

<<はじめに>>

 あらゆる急性の外傷に対し、我々は局部の悪化や二次的障害を防ぎ、早期回復を期待することを目的とし、応急処置(RICE処置)を行う。特にスポーツの現場におけるファーストエイドはボランティア活動等の参加により柔道整復師にとって数多く遭遇する場面となった。受傷後の患部には適切な処置が重要でPRICE処置(P:Protection 保護)が要求される。

 そこで、患部の保護、安定性を高め、施術者の経験にあまり左右されず、スポーツフィールドにおいて素早く、確実に処置ができるようラバー材を使用した。

 このようにラバー材(介在物)を使用することによるIcing,Compressionの2項目に関し、目的が達成されているか比較検討し、ラバー材の有効性について考える。尚、Rest,Elevationについての差はないものと考える。

<<材 料>>

  ・ 天然ゴムラバー(今回は厚さ3mmのものを使用)
  ・ 一般的にRice処置に用いるもの  

    氷・スポンジパッド・伸縮弾力包帯・コールドスプレー・ビニール袋

材料はあらかじめクーラーボックスを用意し、氷でアイスパックをつくり、ラバー材、スポンジパッド、包帯をいっしょに冷却し保存する。(スポンジパッド、包帯は水でぬらす)

 

<<方 法>>

:Icingについて3種類の方法で冷却を施行する。
  (モデル患部を膝部とし膝窩部体温は35.2℃であった)

 

 

ラバー材を患部の形状にあわせ直接あてる。弾力包帯にて末梢から中枢に向かって一巻きし、患部を圧迫し固定する。その上からアイスパックをあて、弾力包帯にて巻きあげ処置する。

 

同様、ラバー材を患部にあて、その上に直接ぬれたスポンジパッドをあて、コールドスプレーを噴射しスポンジパッドを冷却する。そのまま弾力包帯にて巻きあげ圧迫し固定する。患部の状態を把握し3分おきにコールドスプレーにて包帯の上から噴射し冷却する。

 

ラバー材を患部にあて、そのまま弾力包帯にて巻きあげ、圧迫し固定する。


それぞれ、この後、一般的RICE処置と同様20分間施行する。その間、2分おきに体表温度を計測する。(温度計はIC社 サーモ201 100℃計を使用)

 

:Compressionについて2種類の方法で圧迫を施行する。


 

45℃にあたためた粘土を用い、氷の入ったアイスパックを直接あて、弾力包帯にて圧迫し固定する。

 

同様の粘土にラバー材をあて、その上から氷の入ったアイスパックをあて、弾力包帯にて圧迫し固定する。


共に、20分後の粘土の表面の形状を比較する。

 

<<結 果>>

:Icingについて

 

冷却直後に体表温度20℃となり、その後徐々に低下し、約12分後に最低温度の16.5℃となり以後約17℃に温度が保持されたまま推移した。施行20分後は17℃であった。

 

同様、冷却直後から体表温度が低下し、その後20分間徐々に低下し続け、20分後に最低温度12.5℃となった。

 

冷却し約4分後に最低温度の21℃となり、その後徐々に上昇し、20分後には27℃となった。


冷却後の最低温度はの12.5℃、最高温度はの27℃であった。

 

:Compressionについて

は、氷の凹凸の形状で表面に圧痕がつき、そのままの状態で経過し、圧迫にムラがみられた。

は、ラバー全体の沈み込みがみられたが、凹凸はほとんどみられず、フラットな状態でに比べ均等に圧迫された。

 

<<考 察>>

 Icingについては共にラバー材を介して15℃前後の冷却効果があり、RICE処置におけるIcingの目的を達成している。15℃以下の体表温度を保持できる点からスポンジパッドとコールドスプレーを併用した?が優れるが、アイスパックを使用したと同様の冷却効果が得られたため、有効な方法と考える。ラバー材のみを使用した?に関しては、冷却効果は期待できなかった。適切な処置を考えるとの順となる。ただ即座にその場で競技へ復帰するという条件がある場合、がそのまま処置した状態で運動可能なため有効である。

 Compressionについては、直接氷を患部にあてるより、ラバー材の上からあてることにより、均等に圧迫され損傷部位への負担も軽減される。また、氷よりスポンジ等フラットなものを使用することにより更に均等に圧迫が可能となる。ラバー材を使用することにより患部の安静、圧迫の安定性が高まり、尚かつ固定力も加わりProtectionの面からも有効な方法と考える。

 ラバー材はホームセンター等量販店にて手軽に安価に購入でき、種類も豊富である。ゴムの劣化がない限り100%再生可能である。患部の形状にあわせ鋏で簡単にモデリングが可能である。場合によっては、装着したまま競技復帰が可能である。水や汚れに強いといった利点があげられる。

 逆に通気性、吸水性がない。ゴムの材質により色落ちすることがあるという点もあげられる。

 

<<まとめ>>

 ラバー材の使用によりPRICEの目的である保護、冷却、圧迫、固定に関し、患部の高い安定性を得ることができ、素早く確実に処置できることから、応急処置としてラバー材の活用は有効な方法と考える。
 

<<参考文献>>

1)

岡崎壮之・中野和彦:現場のスポーツ医学入門 日本整形外科スポーツ医学会監修 ブックハウスエイチディ

2)

中嶋寛之:現場のスポーツ損傷の応急処置 NAP Limited 

3)

Lyle J,Micheli,MD 中嶋寛之監訳:THE SPORTS MEDICINE BIBLE NAP Limited

4)

黒澤尚・星川吉光・高尾良英・川野哲英・浦辺幸夫 編:スポーツ外傷学総論 医歯薬出版株式会社

5)

北海道ブロック西巻英男:第8回日整学術実技研修会 社団法人 日本柔道整復師会











 

生 年 月 日
開業年月日
開 業 場 所
卒業年月日
出 身 校 

昭和40年6月3日
平成12年4月
爾志郡乙部町字館浦38
昭和62年3月
北海道柔道整復専門学校

【本人談】 

辻内栄一
(函館ブロック)

<<はじめに>>

当整骨院では、市内整形外科にてレントゲン、MRIなど検査診療し約7日ないし1ヵ月後に来院する患者が多く見られ、整形の先生の診療と併用アドバイスを受けながら施術を行つています。

1、 頚部捻挫(鞭打ち損傷)

 頚部(頚椎)は胸郭によって固定された可動性の少ない胸椎の上に位置し、4〜5kgの重量をもつ頭部をのせて可動性に富んでる・したがって鞭打ちのメカニズムで頭部に後方、正面、側方方向に急速な加速・減速運動が起これば頚椎のみならず頸部軟部組織に損傷が起こりうる(図2)

施術の要点

 問診で事故の状況(自損か被害者か、受傷時の大きさや方向=車の損害の程度)を確認する。

<<症 状>>

頸部捻挫型

頸部痛、後頭部痛、背部痛、1〜2日経ってから強くなる場合が多い。

神経根症状型

僧帽筋・肩甲部痛、上肢痛、しびれ、脱力受傷直後から出現することも多い。

自律神経症状型

バレ・リュー症候群めまい、耳鳴り、目のかすみ、頭痛、吐き気、頭重感、集中力低下など。

              * 大きな事故の場合は脳出血の疑いあり

初発症状

 多くは、受傷後数時間から翌日になって症状が出現し持続する、主な自覚症状は頸部痛・疼痛・頚椎運動制限である・腰背部痛・吐き気・めまいなどの訴えもみられる、受傷日に症状を訴えて来院する場合は、翌日ないし翌々日に症状が強くなる場合が多い・症状の大半は受傷後3周までに少しずつ軽減する・ただし受傷後早期に運動制限がある場合は改善に長期間要する場合が少なくない。

 

他覚所見

運動制限

後屈側屈制限が著明で、最初は疼痛性制限であるが、次第に軟部拘縮制限が加わることがある。

圧  痛

胸鎖乳突筋に最も多く、下位頚椎 や僧帽筋の圧痛も多い、大後頭神経の疼痛が見られることがある。

 
(図11)

<<治 療>>

1.初期治療(最初の1週間)

頸椎可動制限や運動痛が強い場合は頚椎ソフトカラーを装着することがあるが、一般的には固定は避けたほうが良い(ただし疼痛が強くて固定する場合も、出来るだけ短期間で除去するほうが望ましい。

2.中期治療(2-4週)

頸部の血行改善む、筋緊張の緩和、頸椎可動性の回復を治療目的におく・各種の温熱療法、マッサージと自他動的な可動域訓練を行う。

3.後期治療(4週以後)

可動域訓練は引き続き行いつつ、頸部の筋力訓練を追加する。


      

 平成17年度 当整骨院追突状況

 1. 後方追突 

14件 

 2. 前方    

2件 

 3. 側方    

7件 

 

【症例の報告1】

症 例 30才女性 (事務員)
主 訴 頸部捻挫 頸部又右肩甲背部に疼痛前屈時に軽い運動痛
原 因 市内自家用車走行中側方より追突負傷

 

【症例の報告2】

症 例 43才女性 (運転手)
主 訴 頸部捻挫 頸部に疼痛右手にしびれと疼痛手に脱力感あり
原 因 市内交差点左折中後方より追突され負傷

 

【症例の報告3】

症 例 52才男性 (警備員)
主 訴 頸部捻挫 頸部両側に疼痛、頭痛背部痛各運動痛あり
原 因 市内交差点で停車中トラックに追突され負傷

 

<<治療のポイント>>

 あくまでも患者のつらい症状に理解を示し、長期化しても粘り強くカウンセリングと治療を続ける必要がある、患者の納得できない状態で治療を打ち切ろうとすると、ほかの治療法を探すだけである、又保険金目当てでの長期通院を計ろうとするも者もいるので、そのようなケースでは毅然とした態度を示す必要がある。

<<参 考>>

  第7回名寄ブロック学術講演会
  講師 士別市立病院 濱田修先生