生 年 月 日
開業年月日
開 業 場 所
卒業年月日
出 身 校 

昭和37年7月2日
平成5年8月29日
帯広市西20条南3丁目37−7
昭和62年3月
東北柔道専門学校

【本人談】 


西山智之
(十勝ブロック)

<<はじめに>>

 ロッキングフィンガーは、指MP関節が何らかの拍子で突然に伸展の可動域が制限されてしまうもので、本邦では手の外科を専門としている施設でさえも年間に数例と言われているほど比較的稀な疾患である。今回、臨床で示指MP関節ロッキングの一症例を経験し徒手整復による保存療法により良好な結果を得たので文献的考察を加え報告する。

<<症例>>

 54歳、女性、主訴、左第2指の運動障害、

既往歴、特になし。スーパーマーケットで買い物をしていて、袋に入った荷物(3kgほど)を左前腕中間位、左第2指に引っ掛けた状態で持ち上げようとした際に突然、痛みとともに左第2指MP関節がロックして完全伸展が不能となった。翌日に当院に来院する。

<<初検時所見>>

MP関節は屈曲40度でロック(自動、他動運動ともに)されるが、その位置からの屈曲運動に際してのROMは正常、MP関節の橈掌側に圧痛有り、腫脹(−)。

<<整復操作>>


1 

本症例の場合、MP関節橈側部のロッキングを解除する為に基節骨を中手骨頭に押し付けながらMP関節の屈曲(滑り運動を考慮して)を90°付近まで行い掌側板、副靭帯を緩める。

2 

MP関節の屈曲を保ちながら橈屈し回外を加える。(術者は母指と示指にて基節骨を把握、示指と中指で末節骨を挟み患者示指のPIP、DIP屈曲位の状態にて橈屈、回外のコントロールを容易にした。この一連の操作は基節骨橈側部で副靭帯を掬い上げるようなイメージで行い、この時点でクリック音を生じた)

3 

その肢位のまま伸展する。


 整復完了後、他動及び自動運動による伸展が可能となりロッキングが消失した。その後、アイシング、湿布、熱可塑性素材(プライトン)によりMP関節伸展位で7日間固定。固定除去後1週間後療して経過良好にて治癒とした。

<<考 察>>

 指MP関節ロッキングは、1949年Langenskildにより報告されて以来、症例や発生原因について数々の報告がされている。日本柔道整復接骨医学会では1994年からの12年間で5題、7症例のロッキングフィンガーについての報告が有り、発症部位、原因、整復操作等についてそれぞれ述べられている。指別の発生頻度は、本邦では示指が圧倒的に高く、次いで中指であり環指、小指の発生は稀とされている。指別の年齢分布では、示指は若年者、中指は高齢者に発症が多いとされ、指別の性差は示指では女性に多いとされている。

 示指MP関節ロッキングは、屈曲時に緩んだ副靭帯(側副靭帯扇状部)が伸展時に示指中手骨頭橈掌側の突出したvolar lipや骨棘に引っ掛かり発生する。軽微な外傷や力を入れて物を引っ張る動作で発生することが多いとされ、MP関節は20〜45度の軽度屈曲位で固定され他動的伸展不能になるがMP関節の屈曲は正常である。この時PIP関節の伸展制限はないことからバネ指との鑑別は容易である。

 ロッキングフィンガーの分類の最初の報告は1974年のHarveyによる3分類がポピュラーである。

1 

Spontaneous type(自然タイプ)、中手骨頭橈掌側に突出したvolar lipによるロッキング。20〜40歳代に多く示指に80%と好発し、以下中指、環指と続き、小指の発生は低い。

2 

Degenerative type(変性タイプ)、変形症による中手骨頭の骨棘によるロッキング。50〜70歳代に多く中指に多発するが示指、環指にもみられる。

3 

Miscellaneous type

(その他のタイプ)、関節内遊離体又は、先天性や外傷性の骨頭変形によるロッキング

 今回経験した症例は患側、健側ともにDIP部にヘバーデン結節様の変形を有し、MP関節の超音波画像観察(長軸像)においても中手骨頭橈側部の変形様の状態が描出されたため、Degenerative typeに属するもので有ったことが推測される。本症例のロッキング発生機序については、買い物袋を示指に引っ掛けて持ち上げる動作によりMP関節の屈曲、尺屈、回内が強制されて中手骨頭のvolar lip、変性部分が橈掌側に偏位してそれらを包み込んでいる副靭帯によりロッキングを来したと思われる。整復については、愛護的に行う事が肝要で有り、暴力的に伸展動作を行うと骨折や関節包断裂を来しやすいため注意が必要である。引っ掛かった副靭帯が最も緩む肢位からMP関節を他動的に伸展させることにより整復されるので示指の場合、MP関節の(圧迫、滑りを考慮した)屈曲、橈屈、回外させる一連の操作により整復させる。又、文献による整復操作と治療成績の報告では徒手整復の成功率は極めて低いとされているものから、ほとんどの症例で整復可能であったと報告されるものまで様々であり、その中には徒手整復に際し副靭帯を断裂、切離させることによりロッキングを解除させる方法も報告され、難治性のものでは手術療法が適用されるものも少なくはないとされている。整復操作についても本症例では一連の操作で圧迫(長軸圧)を加えたが、その他に牽引を加える整復法も報告されており整復法自体も一致していない。

 鑑別として、MP関節脱臼、伸筋腱脱臼、バネ指等が挙げられるがロッキングフィンガーの場合はその受傷原因とMP関節が伸展は不能であるが屈曲時には疼痛はなく、ROMが正常であるということを念頭におけば鑑別判断は容易であると思われる。

<<まとめ>>

今回初めて臨床で経験したロッキングフィンガーに対し徒手整復により良好な結果を得た。

本症例の整復操作法は圧迫(長軸圧)を加えて副靭帯を緩める操作とした。

本症例はHarveyの分類中、Degenerative type(変性タイプ)に属するもので有ったと推測される。 

<<参考文献>>

1)

室田景久・矢部裕・編集 整形外科非観血的治療法のコツ 全日本病院出版会

2)

渡辺好博・編集 手疾患保存療法 金原出版(株)

3)

根本正光 無血整復技法 根本整骨研究会出版部








 

生 年 月 日
開業年月日
開 業 場 所
卒業年月日
出 身 校 

昭和13年1月6日
昭和49年7月
岩見沢市美園3条1丁目
平成7年3月
北海道柔道整復専門学校

【本人談】 


太田英夫
(岩見沢ブロック)

<<はじめに>>

 当院において平成13年より5年間に亘っての来院患者2679人の中、69才以下の患者数は2315人と全体の86%、70才以上の患者数は14%の364人を血液型により負傷部位と来院日数に統計、分類し、まとめてみました。

  スクリーン画面の通り、日本人の血液型の割合はA型40%、B型20%、O型30%、AB型10%であり、来院患者の血液型の割合はA型34%、B型23%、O型32%、AB型11%となっておりほぼ類似しております。

  図表の通り来院患者を70才以上と69才以下に分類し、負傷部位を上肢、体幹、下肢に、又、来院日数を20日以下、21〜30日、31日以上に区別しグラフに表してみました。

70歳以上 来院日数による分類

 

70歳以上 負傷部位別による分類

  70才以上の患者に関しては、来院日数20日以下がB型の40%からAB型の72%であり特にAB型の来院日数が少ないことが判ります。これはAB型の患者の治癒力が旺盛なのか、又反面、継続性に欠けるためなのかは、このグラフだけでは、判断しかねますが「血液型でわかる性格と相性」(鈴木芳正著 産心社出版)の分析によりますとAB型の血液型の人は“合理的で割り切りがはやい”という面の表れなのでしょうか。又、31日以上の通院日数についてはO型の28%が他の血液型の患者より特に多いようです。これも前出の分析によりますと、O型の血液型の人は“負けず嫌いで目標に向かって行く性分”といわれており、来院日数にも表れているのでしょうか。

  負傷部位については、体幹がA型の47%、B型の57%、又、下肢ではAB型の28%、O型の35%と上肢を大きく上回っており、70才以上の患者は体幹と下肢の負傷が多いようです。

69歳以下 来院日数による分類

 

69歳以下 負傷部位別による分類

69才以下の患者については通院日数20日以下がA型の74%、B型の79%と多く、70才以上の高齢者層よりも、はるかに治癒能力が高いようです。

  負傷部位としては、体幹がB型56%、AB型62%、上肢がAB型19%からB型26%と70才以上の患者と比較すれば上肢の負傷が下肢を上回っております。
 これは活動的な行動面から考えても当然のことと思われます。

<<まとめ>>

 この度、5年間の来院患者の血液型の統計を集約してみますと

日本人の血液型の割合と当院来院患者の血液型の割合は、ほぼ類似していますがA型の来院患者が、やや少ないようです。
占いによりますとA型の血液型の人は“石橋を叩いて渡る”タイプが多いとの事で怪我をしないような、慎重性、又、受診をひかえる等の性格によるためかとも、考えられます。

今回の発表にあたり、一般的な血液型の占いによる性格(性分)が来院患者の血液型による統計、分類に、どのような形でとらえることができるか、興味深いものがありましたが、多少なりとも垣間見たような気がします。

今後も引き続き血液型の収集に努め、何らかの成果が表れるような結果を見出すことができるならばと、考えております。