生 年 月 日
開業年月日
開 業 場 所
卒業年月日
出 身 校 

昭和38年7月5日
平成7年12月6日
沼田町南1条4丁目7−105
昭和59年3月
東北柔道整復専門学校

【本人談】 


篠木由美子
(滝川ブロック)

<<はじめに>>

 日常生活において整骨院を訪れる患者様は、外傷ばかりでなく色々な症状を訴えて来院される方が多いと思います。

 当院でも同様ですが、特に骨折、脱臼に関しては医師の同意が必要なため、整復後に診察を依頼しても、その後患者様は戻ってこないため、後療につながらず医師や患者様との信頼関係を得ることが出来ませんでした。

 骨折や脱臼の同意ばかりでなく、患者様の訴えと症状が一致せず、判断しにくい症状で施術を行っても思うような結果を得ることが出来ませんした。

 そこで、症状の改善が見られない時にも医師に紹介し、判断を仰ぎ情報交換をさせて頂いたことを、症例とともにご報告させて頂きます。



<<平成15年1月〜平成18年2月までの当院のデーターから>>

紹介状を送った件数(施術情報提供紹介書を3件含め)53件で、整形外科25件、外科27件、耳鼻科1件でした。

 骨折31件中31件

  鼻 骨  1件   腰 椎  1件
  前腕骨  5件   中手骨  2件   手指骨  6件
  下腿骨 10件   中足骨  2件   足趾骨  4件

 脱臼20件中3件

  顎関節  2件   肩関節  4件   肘関節 14件 (全て肘内障)

 

【症例1 患者75歳 女性】

下部胸椎圧迫骨折疑いのため

ご依頼
N病院 外科 K・K 先生御侍史
いつも大変お世話になっております。
 平成15年7月5日昼頃、床にある新聞チラシを踏みつけ滑って転倒、殿部を強打し
負傷。7月8日(負傷3日後)来院。
第10〜12胸椎棘突起に限局性圧痛著明。腰部下腹部に強い疼痛を訴え、冷湿布、簡易コルセットを装着し様子をみていましたが、高齢と下部胸椎の圧痛が減少されず、圧迫骨折の疑いがあるのではないかと思い、ご高診のほど賜りたくお願い申し上げます。今後とも宜しくお願い致します。

<<診断結果>>

K先生より電話で第12胸椎圧迫骨折と診断。「入院の必要がないのでどちらで診ますか?」と言われましたが、高齢ということでK先生にお願いを致しました。

<<その後>>

 1ヶ月後、詩吟の大会に出場したことを風の便りで聞きました。

 

【症例2 患者12歳 男性】 

鼻骨骨折疑いのため

ご依頼
N病院 外科 K・K 先生御侍史
いつも大変お世話になっております。
平成16年7月8日PM6:00頃、野球の練習でホームにヘッドスライディングをした際にキャッチャーのレガースに鼻を強打し負傷。

患部に腫脹、出血、圧迫により強い痛みを訴えたため、骨折の疑いがあるのではないかと思い、ご高診のほど賜りたくお願い申し上げます。今後とも宜しくお願い致します。          

 

<<診断結果>>
K先生より書面で鼻骨骨折の疑いあり、X−Pの結果、変位はないが亀裂があるとのことでした。患者様の意向もあり、翌日耳鼻科を紹介し、やはり鼻骨骨折との診断でした。

<その後>
3日後、プロテクターをつけて野球を再開しました。

 

【症例3 患者63歳 男性】

右第1指中手骨骨折疑いのため

ご依頼
S整形外科医院 S・S 先生御侍史
いつも大変お世話になっております。

 平成17年8月6日、自宅で作業中に右拇指を突いて負傷。患部に痛みを感じながらも日常的な作業をしていましたが、翌日から痛みが強くなり来院。

 右第1指МP関節に腫脹、圧迫著明。屈曲不能により骨折の疑いがあるのではないかと思い、ご高診のほど賜りたくお願い申し上げます。
今後とも宜しくお願い致します。            

 

<<診断結果>>
 S先生より書面で右拇指中手指関節の痛風性関節炎と診断。古い骨折も見つかりましたが、今回の症状とは関係ありません。定期的な血液検査と投与が必要とのことでした。

<その後>
20日後、炎症も徐々に減少し、テーピングで固定をしてお祭りに参加していました。

 

【症例4 患者6歳 男性】

右股関節痛について

ご依頼

S整形外科医院 S・S 先生御侍史
いつも大変お世話になっております。
 平成17年11月25日から左大腿部が痺れ、歩行困難になりました。左下肢の仮性延長を認め、左股関節前方に圧痛あり、外転外旋位を呈し、屈曲、開排運動痛あり。

 10日前に滑って転倒した事もありますが、はっきりとした原因がわかりませんので、先生のご高診を賜りたくお願い申し上げます。

今後とも宜しくお願い致します。

 

<<診断結果>>
 S先生より書面でМRI検査を行い、左股関節に水腫を認め、単純性股関節炎と診断。10日〜14日位の安静で回復すると思います。そして、同世代のお子さんはペルテス病などの重篤な疾病も教見される為、注意が必要ですとアドバイスを頂きました。

<<その後>>
3日間幼稚園を休み安静を保ち、7日後には走り回っていると母親から聞かされました。

 

【症例5 患者27歳 男性】

右大腿部の痺れについて

ご依頼

S整形外科医院 S・S 先生御侍史
いつも大変お世話になっております。

 平成18年2月24日、中腰で重荷物を持つ作業の際に腰部捻挫で治療にきましたが、前日より右大腿部外側に腫脹と痺れが現れました。2、3日様子を診ていましたが、改善が見られないため、ご高診を賜りたくお願い申し上げます。

今後とも宜しくお願い致します。 


<<診断結果>>

2週間後、S先生より書面で右大腿外側皮神経麻痺と診断。作業中に右上前陽骨棘の部分が硬い作業台に長時間押し付けられたことが、誘因と思われます。「経過を診る必要があった為、返事が遅れました」と書いてあり、S先生のお心遣いに大変恐縮しました。

<その後>>

1ヶ月後来院。痺れは以前より減少し、感覚も少しずつ戻ってきたようです。

 

<<考 察>>

初診時に骨折や脱臼の場合はもちろんですが、疑いがあるもの、判断できない疾病に対しても医師の意見を頂く事で、患者様はもちろんですが、施術する私達の不安も減少します。

 現在、医接連携という言葉をよく耳に致しますが、このようなアドバイスを下さる医師が近くに居ることをとても感謝しています。

 

<<まとめ>>

 日常業務において、患者様や家族、医師との信頼関係を築く上で、インフォームド・コンセントが欠かせないといわれます。「説明と同意」と解釈されますが、「説明」と「同意」の間に「納得」と「理解」が生まれるのではないかと思います。

 患者様が自分の疾病に対して理解をし、その後どのような治療が必要かを納得したうえで医師へ紹介し、後療につながったと思います。

 「説明と同意」の間に「理解」があって初めて目標とされている医師、柔道整復師と患者様のインフォームド・コンセントが信頼関係を築き、納得のいく医療が得られるのではないかと思います。

  








 

生 年 月 日
開業年月日
開 業 場 所
卒業年月日
出 身 校 

昭和42年4月4日
平成13年6月21日
江別市4条7丁目5-1
平成元年3月
北海道柔道整復専門学校

【本人談】 


大森  勲
(札幌ブロック)

<<はじめに>>

 リハビリテーションは、広く一般に浸透しており、私たちの日常業務の中でも特に大きな関わりを持っている。また、近年の社会保障の中でも大変重要な位置付けになっており、保健・医療・福祉関係では今後ますます充実が図られてくる最重要事項になるものと考えられている。しかし、一方では不適切な解釈や誤解も多く見られ、本来のリハビリテーションとしての機能が十分に発揮されていない現状も認めることができる。

 そもそも、rehabilitationとはre(再び)とhabilis(適した)とation(〜にすること)からなっており、「再び適した状態にすること」を意味し、医師、看護師、ソーシャルワーカー、リハビリスタッフらが様々な方向から評価検討し、障害すなわち生活機能低下のある人の「全人間的復権」(人間らしく生きる権利の回復)を達成しようとするものであり、いくつかの要素で構成されている。

 そこで、私たちの日常業務でのリハビリテーションへの関わりを、医学的リハビリテーションと社会的リハビリテーションについて考察したので述べたい。

 

<<方 法>>

 医学的リハビリテーション及び社会的リハビリテーションのそれぞれの視点から、日常業務での関わりを2つの業務に区分して考察する。

 

<<考 察>>

1.整骨院での業務(柔道整復師:JT)との関わり

 当院へ来院した患者で、医学的リハビリテーション(治療・訓練)と社会的リハビリテーション(住環境の整備)を用い、好成績を得ることができた事例。

 

【事例1 74歳 女性】

傷 病 名:

右膝関節捻挫

負傷原因:

外玄関の上がり段で滑り、バランスを崩し転倒負傷する。

評  価:

歩行時痛、屈伸時痛、段差昇降時困難、日常生活機能低下を認める。

課  題:

右下肢機能低下、再転倒、ADL低下

対  応:

右膝治療(疼痛軽減目的にて物理療法、下肢機能低下に対し運動療法)

再発防止とADL低下予防(外階段に手すりの設置及び上がり段に滑り止めを施工)

効  果:

早期に安全が保たれ、ADLの低下を予防でき、良好に経過している。


【事例2 93歳 女性】

傷 病 名:

両膝関節打撲

負傷原因:

花の手入れ中に、花畑でつまずき転倒負傷する。

評  価:

歩行時痛、屈伸時痛、段差昇降時困難あり。約30年前より、両側変形性膝関節症を患っており、可動域制限も認める。

課  題:

両下肢機能低下、外階段の段差が高く日常生活に不自由

対  応:

両膝治療(疼痛軽減目的にて物理療法、下肢機能低下に対し運動療法)

住環境の整備(階段を2段から3段へ変更し蹴上げを低く(25cm⇒18cm)し、同時に手すりも設置し、安全を確保する。

効  果:

外出時の段差昇降時の困難さが解消され、日常生活が良好に経過している。


【事例3 93歳 女性】

傷 病 名:

腰部捻挫

負傷原因:

年齢的体力低下に伴う下肢機能低下の為、トイレに行く際にふらつき転倒負傷する。

評  価:

身体的機能低下、ふらつきを認める。

課  題:

身体的体力低下、下肢機能低下、住環境の整備不良

対  応:

腰部治療(疼痛軽減目的にて物理療法)

再発防止と安全確保のために、廊下及び生活動線上に手すりを設置する。

効  果:

依然ふらつくことがあるが、手すりの設置により転倒への危険が緩和された。

 

1. 基礎データ

要介護度

対象者:34名(男性16名、女性18名)

介護度:要介護度が低く、自立度の高い方が多い。(表1参照)

性別:男女差に優位差は見られない。(表1参照)

年代別:第2号被保険者(40〜65歳未満で、特定疾患該当者)が目立つ。(表2参照)

表3 系統別内訳(単位:名)
   神経系疾患  18
   運動器系疾患 14
   循環器系疾患  2
 

主疾患:神経系疾患と運動器系疾患が大きく二分している。(表3参照)

2.利用者身体特性

変形性膝関節症による生活機能の低下は女性に多く、TKR術後でも苦痛を訴える方は少なくない。生活指導も含めての対応が必要である。

腰部脊柱管狭窄症では、後遺症障害が残ることが多い。また、循環器系疾患を合併していることも多い為、病態把握に注意が必要であり、主治医などからの診療情報が必要である。

神経難病(神経内科的疾病)は国内に10万人以上、約1200人に1人の割合で患者が存在し、特に多いパーキンソン病は、60才以上では500人に1人が発症するといわれている。進行性であり、難治性の疾患ではあるが、機能訓練の必要度が高い群でもある。社会的不利を注意する必要もあり、特に精神的なフォローや病態把握と評価及びプログラム作成に研鑽が必要である。また、運動器のリハビリテーションと異なり、入院以外でリハビリを行う施設は少ない為、介護保険制度下においての通所系サービスに対する要求が多くなると思われる。

高齢に伴い高血圧や不整脈は高率で合併しており、バイタルチェックが必要不可欠である。

脳梗塞後遺症では、認知症も高率で合併していることが多いため、認知症の理解や注意深い観察と対応が必要である。

下肢の機能低下は転倒のリスクが高いため注意深い観察は必要である。

些細な怪我でも、ADLの低下を招く恐れが高い為、転倒などの事故には十分に注意し、ヒヤリ・ハットを積極的に用いた、リスクマネージメントが必要である。

保健・医療・福祉関係機関での医療連携が進んできているので、情報を整理し問い合わせなどに的確に対応できる体制及び準備が必要である。

介護保険下では、その多くが維持期リハビリテーションであり、包括的な捉え方が必要とされるので、環境因子を含め広く関係機関との情報の共有が必要である。

社会参加(交流)では、女性より男性の方が馴染むまで時間がかかるケースが多い。

<<まとめ>>

 私たちは、柔道整復師や機能訓練指導員として活動する中で、リハビリテーションに深く関係を持ち業務を行えることが判った。また、私たちの専門性を生かした意見や発想で、積極的にリハビリテーションに取り組むことも必要と考える。今年4月からは、全国の市区町村が主体で行う、地域支援事業が始まり、保健・医療・福祉については包括的な視点も要求されることになった。これらのことからも、傷害や疾病だけにとらわれない、ノーマライゼーションを目標にしたリハビリテーションとしての広い視野が必要と考える。

<<参考文献>>

1)

日本医師会:リハビリテ―ションマニュアル 日本医師会雑誌臨時増刊号/第112巻第11号

2)

大川弥生:介護保険サービスとリハビリテーション 中央法規出版株式会社

3)

東京商工会議所:福祉住環境コーディネーター検定 2級テキスト

4)

札幌市身体障害者更正相談所:実用リハビリテーションハンドブック

5)

竹中星郎:老年期の心理と病理 放送大学教育振興会

6)

折茂肇・近藤喜代太郎:高齢者の心と身体 放送大学教育振興会

7)

大川弥生:「生活」「人生」全体の向上をはかる医学 週刊医学界新聞 第2558号

8)

五十嵐 直敬:クオーレ エーシーシーティー 合資会社 HP

9)

芳賀修光・大野秀樹・佐藤祐造・大谷克弥:生活体力 NHK出版

10)

大川弥生:週間医学会新聞 医学書院

11)

ホームケアメディシン2006号Vol.7 株式会社メディカルトリビューン 

12)

川上義和:身体所見のとりかた第2版 株式会社文光堂

13)

野島元雄・首藤貴・狩山憲二:図解 四肢と脊柱の診かた 医師薬出版株式会社